紙面掲載

沖展73rd exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(上)

 県内最大の総合美術・工芸公募展、第73回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が19日~4月3日、ANA アリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。
 一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」を受賞した7人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2022年3月15日文化面)

絵画 澤岻盛勇さん(78) 復帰50年 描く生きがい

 中学卒業後の集団就職で神奈川県に移り住んだ。20代で同県の定時制高校を卒業し、仕事の合間を縫って「幼い頃から好きだった絵を本格的に学びたい」と武蔵野美術大学短期大学部に進学。年下の学生たちと一緒に学び刺激を受けながら、美術の教員免許も取得した。

 神奈川県職員を定年後、同大造形学部油絵学科に進学。卒業後は自宅にアトリエを構え、首都圏のコンクールへの出品や個展も開いてきた。

私の居場所

 沖展賞に選ばれた絵のタイトルは「私の居場所」。沖縄の日本復帰50年の節目に、故郷の沖展に出品したいと挑戦した。廃棄されたいすや楽器をモデルに「朽ち果てていく姿への愛情と絵を描く生きがい」を表現。

 「挑戦することに遅いということはない。応援してくれる家族や知人に感謝し、これからも描き続ける」と笑顔で話した。

       
澤岻盛勇 たくし・せいゆう さん
1943年南風原町生まれ。神奈川県足柄上郡松田町寄在住。
 

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