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沖展70th exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(1)

沖縄県内最大の総合美術・工芸の公募展第70回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が21日、浦添市民体育館で開幕する。一般応募の最高賞に当たる沖展賞を受賞した8人に、受賞作や今後の抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2018年3月15日 文化面)

ガラス・森上真さん 沖縄の海連想する造形

「同じ質量で全く違う造形にできる。ガラスの美にやられた」。
21歳、都内の専門学校でのコップ作りで進路が変わった。郷里・高松市での生活を経て、2009年に沖縄の手作りガラス工房に就職。14年、沖展に初入選した。


(写図説明)Submariner-青の中へ-

大好きな海とガラスを結びつけた作品は、7頭のマッコウクジラが躍動感たっぷりに泳ぐ。沖縄の青い海を思わせる色で、ガラスの中で光が屈折する。「群れになることで方向性が生まれる。海を進むさまを想像してほしかった」
珪砂(けいしゃ)にソーダ灰、色付けのコバルトなどを混ぜて溶かしたガラス。作品に必要な分をさおですくい、重力や遠心力で伸ばして体を作り、トング状の道具で形を整えた。
「もっと若い人は発想も感性も違う。みんなが好きな作品を出し、沖縄のガラス界を盛り上げられたら」と語る。

森上真(
もりがみ・まこと
さん
1981年香川県生まれ、糸満市在住。

陶芸・山内徳光さん 大皿薄く仕上げる工夫

作陶歴29年で手にした受賞に「陶芸仲間と根気強く指導してくれた師匠のおかげ。大変うれしい」と目を細める。
大皿作りにチャレンジし続け、納得いく作品「環」が焼き上がった。大皿は一般的に厚みが必要になるが、径63センチの大皿で、比較的薄く仕上がるように工夫した。鳥の羽を用いた矢羽根技法で、全体的に落ち着いたデザインに。
青、茶、白の3色の色化粧土のバランスがとれた色合いとなった。「茶色が出たのは実は想定外だった。結果、色化粧土をうまくかけ分けることができたかな」と話す。


(写図説明)環

昨年は奨励賞を受賞。色やデザインなど年々こだわりが強くなり、創作の探求心は尽きることはない。作品一つ一つのデータを取って研究を続ける。今後は「色化粧土で抹茶わんや雑器類などにどう表現できるか挑戦していきたい」と意欲は旺盛だ。

山内徳光(
やまうち・のりみつ
さん
1952年読谷村生まれ、沖縄市在住。