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沖展70th exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(3)

第70回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が21日から4月8日まで、浦添市民体育館で開幕(沖縄タイムス紙面掲載日:2018年3月19日 文化面)

彫刻・翁長瞳さん 見て見られる 鉄で表現

鉄で作った2種類の大きさの三角形を組み合わせて、二つの七角形がずれた造形物を作った。高さ180センチ、幅160センチと存在感際立つ大きさだ。SNSが普及した現代社会。「人の目線を気にしている。二つのフレームは見ている側と見られる側の虹彩がモチーフなんです」と語る。


(写図説明)共存する二つのフレーム

県立芸術大学の大学院1年生。学部生時代に粘土石膏(せっこう)や木彫、石彫、FRP、テラコッタと一通り素材と向き合う中で、金属に興味を持った。「規格されたモノに手を加えることで有機的ではないが、魂を込められる気がする」。20分の1のサイズの紙で作った模型を参考に、鉄板を切断し、目安となるガイドをつけて溶接、少しずつ作っていった。
「抽象彫刻は分からないと言われることもある。見てくれる人にどこまで自分の伝えたいことを伝えられるかが今後の課題です」と話した。

翁長瞳(
おなが・ひとみ
さん
1993年那覇市生まれ、同市在住。

木工芸・波平敏弥さん 音響くいす 緻密に計算

木製スピーカー内蔵のいす「OTOKAGU」で受賞した。スピーカーの構造を研究。県産のクスノキを座面と底に使い、音が響くよう中層のアカギをくりぬいた。スマホ内の音源を再生して、イスの穴に差し込むと、座面の底から音が響く。「高音と低音が出るよう大小の二つの穴を開けて工夫した」と話した。


(写図説明)OTOKAGU

昨年3月、県立芸術大学で卒業制作用に1年かけて作った4脚の一つ。「手を動かして作るのが好きだけれど、木は香りや一つ一つ違う表情、経年変化も面白い」と木の魅力を語る。
アカギの脚のくさびには真鍮(しんちゅう)を使った。木と金属。異素材の組み合わせも追求した。アクセサリーも手掛ける。「ブランドとしていつか商品展開できたら」と夢を掲げる。「技術を磨いてこのアイデア、方向性で作り続けたい」

波平敏弥(
なみひら・としや
さん
1993年北中城村生まれ、那覇市在住。