第76回沖展 沖展賞受賞者インタビュー
県内最大の総合美術・工芸公募展、第76回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が15~30日、ANAアリーナ浦添で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」の受賞者8人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス 2025年3月13日文化面)
写真 具志堅興清さん(74) 生きる厳しさ 人に重ね
二十数年前、名護市主催のフォトシンポジウムがきっかけで写真、とりわけ山岳写真にのめり込んだ。
北アルプスなどの険しい山の中で「冒険みたいにして撮るのが楽しくてね」と笑う。
望遠レンズなど写真機材を含めると20キロ以上の荷物。
時に滑落しそうになりながらの山岳写真撮影だが、「四季ごとに違った風景が撮れることが魅力」と話す。

厳寒の中で過ごす猿の姿が撮りたくて冬の長野県北部・地獄谷野猿公苑に出向き、撮ったのが今回の作品。
「生きる厳しさという意味では人間にも通じるものがある」。
2日間雪の中で過ごし、ついに望む姿を射止めた。
作品の出来には「満足しています」。
野生の猿を通じ人生をも写す「写真の力はすごい」と感じる。
そんな魅力を多くの人に感じてほしいと願う。

具志堅 興清 さん- 1950年名護市出身、同市在住