第76回沖展 沖展賞受賞者インタビュー
県内最大の総合美術・工芸公募展、第76回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が15~30日、ANAアリーナ浦添で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」の受賞者8人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス 2025年3月13日文化面)
陶芸 山田サトシさん(57) 伝統の厨子に独自表現
沖縄伝統の様式「ボージャー型」の厨子(ずし)「終器」で受賞した。
県立芸術大学2期生として陶芸を学び、卒業後は県外で活動していたが、帰県後の2018年から発表の場として沖展に出品している。
作品は伝統的な作り方に沿っているが、本来は1カ所しかない窓を4カ所設置するなど独自の表現も加えている。

学生時代は厨子の良さに気付かなかったが、沖縄に帰ってきて、その造形感が心に響くようになった。
民芸や民俗学的な位置付けを再確認するためにも制作を続けている。
ライフワークになっている厨子の制作。
今後はその造形感をさらに深めたいと意欲を見せる。
「一度、外に出たことで、沖縄の造形の素晴らしさを発見できた。今後は沖縄文化の魅力を世界中に広めていきたい」と語った。

山田 サトシ さん- 1967年那覇市出身、同市在住