沖展71st exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(上)
沖縄県内最大の総合美術・工芸公募展、第71回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が23日、ANA ARENA浦添(浦添市民体育館)で開幕する。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」を受賞した6人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2019年3月20日文化面)
写真 國吉健郎さん 物づくりの現場 初挑戦
南風原町の伝統工芸品、琉球絣(かすり)が生まれる工程を撮影した組み写真「絣織り」で2度目の沖展賞を受賞した。「撮らせていただいた方々に感謝したい」と話す。
これまでは御願や祭りを主なテーマとして撮影してきたが、今回初めて物づくりの現場に挑戦した。「実際に作業しているところを撮るのは難しかった」という。糸染めから織りまで、一連の工程を撮り、布が出来上がっていく場面を中心に、モノクロの写真4枚でまとめた。「撮影する中で、職人さんの数は少なくなりつつあると聞き、御願と共通の課題を抱えていることを知った。伝統をつないでほしいという思いも込めた」
写真を始めて35年。「1枚の写真を見ることで昔の記憶や当時の思いがよみがえり、他の人と共有できること」が魅力だと考える。準会員となり「これからも伝統的なものを題材に撮り続けたい」と話した。
くによし・たけお さん- 1949年那覇市生まれ。与那原町在住。