沖展72nd exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(下)
県内最大の総合美術・工芸公募展、第72回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)で一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」を受賞した6人に、制作の背景や抱負を聞いた。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「沖展」は中止されたが、入賞作品74点を展示する「特別展」を9月に那覇市のタイムスビルで開催する。(沖縄タイムス紙面掲載日:2020年3月20日文化面)
版画 遠藤仁美さん 日々の景色 線で形に
京都市の嵯峨美術大学で4年間、銅版を専攻した。沖展賞はその卒業作品。心地いい、きれいだと感じた線、形、日々見えた景色などを組み合わせた。当時は白と黒のコントラストが強すぎると感じていたが、時を経て、白が褐色を帯び、色合いに深みが増したという。
大学卒業後は制作から遠のいていたが、沖縄に移住後、子育てが少し落ち着き、今は月2回のペースで那覇市内の工房に通う。受賞作は「どこかに飾ってもらえたら」と実家から取り寄せて出品。対になる同じモチーフの作品も入選し「ただびっくりです」。
近所の海岸で出合うサンゴや植物、水面(みなも)などをテーマに、現在はマイペースで作品を手掛ける。「少しずつ作品を増やしていき、いつか個展が開けたらうれしい」と笑顔を見せた。
遠藤仁美 さん- 1982年京都市生まれ。読谷村在住。