沖展73rd exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(中)
県内最大の総合美術・工芸公募展、第73回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が19日~4月3日、ANA アリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。
一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」を受賞した7人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2022年3月16日文化面)
書芸 仲舛由美子さん(60) 線の強弱 墨の濃淡工夫
2回目の沖展賞を射止め、準会員の資格を得た。「やってきたことが報われ、驚きと感動で胸が熱くなり、涙があふれ出た」。支えてくれた師匠や書友・家族に感謝する。
琉球王国時代の漢詩人・蔡大鼎(さい・たいてい、伊計親雲上[ぺーちん])が、中国に赴いた際に詠んだ詩が題材。旅の途中で目にした雄大な自然、豊かな暮らしを表現したその文言にひかれた。グレーがかった紫色の渦巻き紋の紙を選び、巻子[かんす](縦35センチ・横380センチ)にして書いた。全280文字。線の強弱や墨の濃淡に工夫を施している。
美里工業高校などで書道講師をし、「小さなことを地道に積み重ねる大切さ」を伝えてきた。この春から、沖縄国際大学で、これまで学んできた全てを学生らに伝えていく。「古典の偉大さを見直し、いろいろな線を追究したい」と抱負を語った。
仲舛由美子 さん- 1961年沖縄市生まれ。同市在住。