紙面掲載

沖展74th exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(上)

 県内最大の総合美術・工芸公募展、第74回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が18日~4月2日、ANAアリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」受賞者7人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2023年3月14日文化面)

絵画 伊是名教子さん(73) 戦場になる危機感投影

 ウクライナ、沖縄への米軍基地の押し付け、ミサイル配備、辺野古の新基地建設-。昨今の社会情勢から「また沖縄が戦場になってしまうのではないか」との危機感を抱き、今作「迫りくる現実」を描かずにはいられなかった。戦争をテーマに作画するのは初めてという。

迫りくる現実

 自宅で新聞を読む定位置から見える景色を構図にして、怒りや悔しさ、祈りの思いを重ねて描いた。「穏やかではいられない」心情をより強く表現するために墨も使い、これまでにない作風となった。「作品にするしかできないが、メッセージを伝えたい」と思いを語る。
 中学校で36年間勤めた理科教諭を退職後、絵画教室に通うようになった。5度の入選を経て、初めての沖展賞受賞。「描くことが楽しい」とひたむきに絵に取り組む。

       
伊是名教子 いぜな・のりこ さん
1949年伊江村出身、南風原町在住。
 

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