第75回沖展 沖展賞受賞者インタビュー
県内最大の総合美術・工芸公募展、第75回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が3月23日~4月7日、ANAアリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」受賞者8人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2024年3月19日文化面)
写真 知念和範さん(71) 全てかみ合った会心作
伊是名島の切り立つ岩、海ギタラ付近から望む星の動きと、南城市のニライカナイ橋を走る車の明かりを多重露光で一こまに収めた。
海ギタラと北極星を同時に写すには、干満の差が最も大きい大潮の日の夜中、海に入り撮るしかない。
本業は理容店で簡単には休めず、自由になるのは日曜のみ。
天候、潮の満ち干、離島や遠隔地で撮影する日程―。全てがかみ合った会心作となった。
「いつ、どこからどう撮ればどんな写真が撮れるか。あれこれ考えて実行するのは、好きだから何も苦じゃない」
43歳で授かった娘の写真を撮りたくてカメラを手に。すぐ奥深さにのめり込んだ。
写真を撮るうち沖縄の伝統や文化にも関心が広がった。
「これからも沖縄にこだわって撮り続けたい」と話す。
知念 和範 さん- 1952年本部町出身、名護市在住