第75回沖展 沖展賞受賞者インタビュー
県内最大の総合美術・工芸公募展、第75回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が3月23日~4月7日、ANAアリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」受賞者8人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2024年3月19日文化面)
木工芸 伊地優さん(38) 木目の美しさ 見どころ
ガジュマルなどを素材に制作した東道盆(トゥンダーブン)で沖展賞を受賞した。
実は木工芸を始めたのは2年前からと日が浅い。
2022年から翌23年にかけて開かれた県の高度工芸技術者養成研修で習得した「全ての技術を駆使した」と笑う。
技術的に困難だったのは猫足と呼ばれる脚の制作とふたに鳥や植物を彫る作業だったという。
浦添市美術館や県内の図書館に通い、技法やデザインを参考にして仕上げた。
ねじとくぎの違いも分からないまま飛び込んだ木工芸の世界だが、東道盆とともに応募した重箱でも入選を果たした。
「木工芸を始めたばかりでまさか沖展賞に選ばれるとは思わなかった」と語る。
作品では、木目の美しさを見てほしいとし「これからも県産木材を使った作品を作っていきたい」と話した。
伊地 優 さん- 1985年沖縄市生まれ、宜野湾市在住