第76回沖展 沖展賞受賞者インタビュー
県内最大の総合美術・工芸公募展、第76回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が15~30日、ANAアリーナ浦添で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」の受賞者8人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス 2025年3月11日文化面)
木工芸 大城寿樹さん(39) 緻密な技術に高い評価
組子細工の模様が美しい木工品「ひんぷん」で初出品ながら沖展賞を獲得した。
3年前から「いずれ出展しよう」と考えていたが「今年こそは意地でも出す」と決意。
休日も返上し、徹夜で作業するなどして作り上げた労作が審査員から高く評価された。

本業は家具・建具職人だ。日頃の仕事をこなしつつ、作品と向き合った。
組子は寸分の誤差も許されない精密な技術が求められる。締め切り直前まで作業に追われ「正直しんどかった」と振り返った。
長い歴史のある沖展での受賞に「名前を刻むことができて良かった。しんどさが報われた」と喜ぶ。
夢は名前と顔を売ることと、自分の工房を持つことだ。
「自分がどういう人か興味をもってもらい、制作などにつながればいいかな」と期待を寄せた。

大城 寿樹 さん