第76回沖展 沖展賞受賞者インタビュー
県内最大の総合美術・工芸公募展、第76回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が15~30日、ANAアリーナ浦添で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」の受賞者8人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス 2025年3月12日文化面)
彫刻 仲村春孝さん(73) 生命感じるふ化の瞬間
セミが幼虫から成虫へと脱皮する様子を表現した木製の彫刻「つなぐ」で、2年連続となる沖展賞を受賞した。
昆虫に夢中だった幼少期を思い出しながら制作した。
セミの姿を緻密に再現しようと、本物の抜け殻を30個ほど集めて観察を重ね、生命力を感じるふ化の瞬間を見事に表現した。

最近の作品は、カタツムリやセミなど「子どもたちが面白いと思うもの」をテーマに制作しているという。
一目見て分かりやすい造形にし、芸術や作品を身近に感じてもらえるように心がけている。
美容師だった経験から、化粧品で絵を描くなど、遊び心を持ってチャレンジするのが楽しいと語る。
沖展賞の受賞には「みんなが認めてくれたのでうれしい。思い立ったが吉日で、これからも楽しみながらやっていきたい」と話した。

仲村 春孝 さん- 1951年宜野湾市出身、中城村在住