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第76回沖展 沖展賞受賞者インタビュー

 県内最大の総合美術・工芸公募展、第76回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が15~30日、ANAアリーナ浦添で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」の受賞者8人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス 2025年3月11日文化面)

織物 玉寄憲子さん(51) 色調抑え落ち着き表現

 緯浮花織や手花織、手結絣(かすり)の三つの技法で織られた着物「想いを込めて」で沖展賞を受賞した。

 首里織は色鮮やかなイメージがあるが、三つの技法を生かすため、あえてデザインや色調を抑えて落ち着いた雰囲気に仕上げた。

緯絣手花花織紬着物「想いを込めて」

 約20年前、国指定重要無形文化財「首里の織物」の保持者で人間国宝の宮平初子さんの工房で学んだ。
 周囲は経験者が多い中、全くの未経験者として一から学び、7年間かけて首里織を習得した。
 
 子育てで制作から離れていた時期もあったが、3年前から沖展への出展を再開。

 一般応募の最高賞である沖展賞に選ばれ「信じられなかったけど、うれしい」と喜んだ。
 沖展は先輩方も出展していた身近な工芸展とし「私もみんなが楽しめる作品を出し続けたい」と笑顔を見せた。

       
玉寄 憲子 たまよせ のりこ さん
1973年那覇市出身、同市在住
 

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