沖展74th exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(中)
県内最大の総合美術・工芸公募展、第74回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が18日~4月2日、ANAアリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」受賞者7人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2023年3月15日文化面)
木工芸 屋部忠さん(50) くぎ使わず映える工夫
2度目の沖展賞を得て、準会員への推挙が決まった。大工の傍ら木工芸を始めて10年、春先から冬にかけての休日は職場の工場へ通い、製作に注力してきた。勤め先である美住工務店の比嘉勇二社長は、一番の理解者。場所や材料の使用だけでなく「ハッパもかけてくれる」と感謝する。
受賞作のロッキングチェアは「沖展だからこそ見られるような面白く、変わった作品」を目指した。くぎを使わない技法を用い、ウレタン塗装して強度にも気を配った。いすを作る構想は数年前からあったが、沖展会場で会員のいす作品を見て「今の自分ではまだ届かない」と自粛。沖展賞、浦添市長賞と受賞を重ねるとともに自信をつけ、満を持しての出展だった。
「これからも、会場に来てくれた人が喜ぶような作品を作りたい」と意欲を見せた。
屋部忠 さん- 1972年浦添市生まれ、同市在住。