紙面掲載

沖展73rd exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(下)

 県内最大の総合美術・工芸公募展、第73回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が19日~4月3日、ANA アリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。
 一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」を受賞した7人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2022年3月17日文化面)

織物 仲地洋子さん(64) 彩りワクワク 天職の道

 泥染めの黒い生地に黄色や藍、赤色のジンダマ(銭玉)やクヂリゴーシィ(崩格子)などの柄を流れるように配置した久米島紬の作品「久米島なないろ夜空」。半年がかりで仕上げたといい「色を多く入れてにぎやかにしたのでワクワクしながら織った。模様が崩れないように糸の張り具合には気を付けた」と語る。
 受賞に「信じられなくて何度も聞き返した。うれしかった」と喜ぶ。植物染料では出ない紫色の表現にも挑戦。月桃を材料にして出したピンク色と琉球藍の色の糸を折り重ねた。「作品に満足することはない。学ぶことでより高みを目指せる」と意気盛んだ。

久米島紬着物「久米島なないろ夜空」

 幼少時代からものづくりが好きで、子どもたちが手を離れた40歳すぎから始めた織物の道。「時間を忘れて集中できる仕事。天職だなと思います。ずっと紬に恋をしています」とほほ笑んだ。

       
仲地洋子 なかち・ようこ さん
1957年久米島町出身、在住。
 

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