沖展74th exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(中)
県内最大の総合美術・工芸公募展、第74回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が18日~4月2日、ANAアリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」受賞者7人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2023年3月15日文化面)
彫刻 吉田タカヨさん(29) 鉄の球体 模索する空間
県立芸術大学大学院生の頃から出展を始め、4度目で沖展賞に輝いた。これまで浦添・うるま両市長賞のほかに入選もあって経歴は申し分ないが、「出展作はどれも自信作だった。やっと取れたという思い」と頬を緩めた。
今作「my heart's form」はひし形の鉄を貼り合わせて球体をかたどった作品。素材、作り方、構造はプランニングするが、タイトルは後付けというのが面白い。中は空洞で、上部に開いている穴からのぞくことができる。
近年、穴が開いている作品をよく作っている。「中の空間はよく分からない」というのが一貫したテーマ。作品ごとにいろいろな手法を試すが、満足するには至っていないという。「金属で何ができて、できないか」と模索を続ける。
吉田タカヨ さん- 1993年静岡県出身、西原町在住。