沖展74th exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(中)
県内最大の総合美術・工芸公募展、第74回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が18日~4月2日、ANAアリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」受賞者7人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2023年3月15日文化面)
陶芸 上江洲史朗さん(49) 焼きムラに登り窯効果
初めての沖展出展で沖展賞を射止めた。受賞の知らせを聞き、多くの人から祝福の連絡があったといい、「びっくりした。受賞できたことで、これまで作品を応援してくれていた人への恩返しができた」と喜んだ。
受賞作の「厨子」は、4~5年ほど前から試行錯誤を続けてきた作品。当初はもっと小ぶりだったが、自分好みの造形を追求し、何度も作り直して装飾を加える中で倍ほどの大きさに。登り窯を使って焼き上げることで、特有の焼きムラが作品に表情を生み出す効果を狙った。
「今回の作品も、今見ればまだ直したいところが出てくるはず」と、作品の追求には終わりがない。「余裕がないと良い作品はできない。自分の作品を作る時間を確保していきたい」と話した。
上江洲史朗 さん- 1973年那覇市出身、読谷村在住。