沖展74th exhibition 沖展賞受賞者インタビュー(上)
県内最大の総合美術・工芸公募展、第74回「沖展」(主催・沖縄タイムス社)が18日~4月2日、ANAアリーナ浦添(浦添市民体育館)で開催される。一般応募の最高賞に当たる「沖展賞」受賞者7人に、制作の背景や抱負を聞いた。(沖縄タイムス紙面掲載日:2023年3月14日文化面)
写真 山城和代さん(71) 猫の表情 色合い鮮やか
春先。朝の一枚を狙って、自宅そばの畑に望遠を向けていると、ファインダーの中で塀伝いにそろり飼い猫が現れた。そのままピントを合わせて間もなく、大きなあくびをしたその瞬間を捉えた。
撮影は8年前で、当時、グループ展で入賞した作品。その一枚を覚えていた写真仲間に昨秋、ふと沖展への出品を勧められた。写真館で引き伸ばしてもらうと、色合いも鮮やかに仕上げてくれて、出来栄えにドキリとしたという。家族がタイトル考案にも協力してくれて「多くの人たちに可能性を引き出してもらった」としみじみ振り返る。
夫の啓さん(77)と写真を撮って24年。目標にしていたという沖展賞を得て初心に返った。目下、撮りたいのは富士山と紅葉。啓さんとの撮影旅行を楽しみにしている。
山城和代 さん- 1951年勝連村(現うるま市)生まれ、名護市在住。